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室井教授の仕事を、「大学人」はどう考えるか? [たばこ政策・雑感]

私は、タバコの問題を考える際に、まずは喫煙者の意見を聞くべきだと考えている。
これは、決して嫌煙運動を否定するとか、賛成しないと言うことでなく、同じ目的、同じ立場の人と議論しても、おそらくは同じ結論となってしまうからである。

今回は少し「たばこ」の問題から離れて、「タバコ問題に対する議論の様子を見てみたい」。今回は主張の是非にはあまり踏み込まず、その議論の仕方と姿勢に着目したい。取り上げるのは、下記の書き込みである。

嘘まみれの嫌煙キャンペーンを、大学人はどう考えるのか?
 (初出:大学内パンフレット「ヘルシーキャンパス21」2005年9月16日発行)
  横浜国立大学教育人間科学部 室井教授(メディア研究講座
http://www.bekkoame.ne.jp/~hmuroi/kenen.html

主な主張
1.最近の嫌煙運動は明らかに行き過ぎである
2.少なくとも真理追究の場としての大学には全くふさわしくない
3.せめて我々大学の研究者くらいは、世の中のメディアで流通するでたらめな情報に惑わされず、一次データや正確な科学的検証に基づく議論をしていかなくてはならない
4.ここでは、嫌煙キャンペーンの「嘘」を暴いていきたい

しかし、その内容は、大部分が、巻末に引用文献としてかかれた、特に、橋内章著、『そこに酒あり煙草あり-酒と煙草を楽しむための医学書』(真興交易医書出版部))の記載の要約でしかない。
これは、室井教授自身の上記 主張3と矛盾していると思われる。たとえ読んでいたとしても、どうも、いろいろな文章を拝見すると、疫学研究と臨床疫学研究、病態生理学的研究の区別がついていないことは間違いのない事実だ。医学の素人の方なので、これぐらいで、私はあえて取り上げようとは思わなかった。本当は大学人ならば許されることではないが・・・・

 議論への姿勢があまりに「大学人」として不適切だったので、取り上げさせていただく。

--
ロンボルグ本とタバコ(室井教授の文章)
http://tanshin.cocolog-nifty.com/tanshin/2005/10/post_1e9e.html
(上記より引用)
 まあ、こんなところだ。要するに山形氏は(前も言ったように小谷野敦とはちがって、ぼくはこの人物は好きなのでもう一度敬称をつけ直す)、

彼がぼくに対して言っている、
 なにやら怪しげなアンチ本を鵜呑みにして受け売りしてる。
 情報源チェックもデータの裏取りも一切しない。
 基本的なデータの見方も知らずに騒ぎ立てる。
 そもそもの議論に必要な基礎知識もない。
--
(引用終わり)

私は、この山形氏のご指摘に同意します。
室井教授は「ぼくは統計学は嫌いだしあまり「科学」だとは思っていない。」などというのであれば、最初から統計の限界を、さも疫学の土俵で議論するようなふりをして指摘するべきでないし、疫学は「科学」ではないといいながら、様々なところで「タバコが有害であると証明した疫学的な研究はないのです。」と、疫学的な研究を利用して反論している。

この点が、室井教授が一次文献を、そもそも読んでいるはずがないし、主張が一貫していないのも、おそらく、自分自身の意見ではなく、人の文献の引用だからだろうと考えている。また、「メディアリテラシー」なんて大嫌いである。」などと言われると、もう、大学人の発言ではない。

 色々と、反響が大きく、うんざりしている様子はよくわかるが、せめて「今日は新国立劇場公演が休演なのでちょっとだけタバコの話題に群がってきている人たちの相手をしてあげることができる。」というのであれば、もう少しまじめに議論してほしい。意見や対立する人や分野の異なる人たちと、自分の専門性に基づききちんと議論する姿勢を持つのが「大学人」あるべき姿ではないだろうか。

 おそらく、最初に「嘘まみれの嫌煙キャンペーンを、大学人はどう考えるのか?」などと、大上段に構えて言わずに、「おれは、嫌煙キャンペーンが嫌いです」ぐらいにしておいたらよかったのだろう。

 随所に出てきていますが、どうもこの文章は、理論的と言うよりも、好き嫌いの「嗜好」に基づく表現を、「大学人の思考の成果物」として公表したところに、各専門分野の人の強い反感と、厳しい批判を受けたようです。むろん、相当、感情的な反応もあったことでしょう。

(最後に)
 今回のことは、他人事とは思わずに、私も、このようなことをしないように注意するとともに、参考にさせていただきます。blogを、どんな偉い人が見ているかわからないですから。うっかり批判したら、等のご本人がご覧になる場合もあります。ただ、問題は、その指摘を受けた後の対応の仕方だと感じました。それにより、その方の品格が現れます。
 また、個人が情報を発信するということであっても、インターネットの様な不特定多数の人の目に触れるものの場合は、たとえ個人であってもマスコミと同様の責任と義務が生じるものであることを再認識させられた、やりとりです。


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dobbin

 あらら、室井教授への、トラックバックみんな削除されてしまいました。
blogにはそんな機能もあるのですね。しかし、今さら言っても遅いのかとは思いますが、室井君の主張や立場には、私は賛同できる部分があった。
 ただ、あの議論する姿勢。大学の人としては、いかがなものかと思った次第です。ということでこの件は、続きは直接お会いしたときにでもいたしましょう。
by dobbin (2005-10-25 02:38) 

九龍

TBありがとうございました。
議論の際に自分と反対の立場の意見を聞くことの重要性はもっともだと思います。
しかしながら、タバコに関しては、喫煙派が、あまり有効な反論を言ってくれないような気がするのです。
逆ギレをしてしまったり、こちらが反論をすると無視を決め込んだり、
室井教授のように、TBやコメントを全て削除したり。
タバコの問題点は、癌のみでなく、苦手な人は、副流煙を吸っただけで、呼吸器系に、炎症をおこしますから、
しかし、そういう主張をすると、室井教授は
「そんな人は多くはない」という事ですから…
by 九龍 (2005-10-25 16:00) 

dobbin

 喫煙問題が、感情論になりやすいのはそれが「マナー論」として、常に“善悪のグレーゾーン”で語られているからです。お互いが、ダブルスタンダード上にいて、お互い自分がスタンダードと思っているから議論がかみ合わない。
 具体的には、路上における喫煙を、非喫煙者は「守るべき常識」とし、喫煙者は「しないようにする努力義務で」と考えています。
 まず、だから路上喫煙の是非に決着をつけるべきです。
 感情論になりやすいから、できるだけ数字を出して冷静に議論していくのがいいと思うのですが、それを真っ向から「嘘にまみれた」と言われたところが残念です。
by dobbin (2005-10-25 18:49) 

cleanair

TBありがとうございます。
一番、最初に奇奇怪怪さんが室井氏の文章をおかしいと思い、メールしたところ、「今度はブログのほうにコメントとして書いて議論しましょう」みたいなことを
言っておきながら、私の書いたコメントなども全く無視の状態でした。
それと迷惑トラックバックならまだしも意味のあるコメントやトラックバックも
削除してしまう辺り、教える立場として間違っていると思います。
要は、人と真面目に向き合わないでデータのみで議論する方のようです。
http://blog.livedoor.jp/cleanair/
by cleanair (2005-10-26 11:00) 

dobbin

コメントありがとうございます。
 わたしは、今多くの場所で行われている感情的な議論では、喫煙問題は解決しないと思います。しかし、一方で、今大騒ぎとなっているアスベストによる健康障害の数十倍の規模で、たばこにで働き盛りの人が死ぬことになります。
 喫煙の害があまり知られていないのは、病気の性格上、多くの人が周りにそれを知らしめるゆとりもなく、死んでこの世からいなくなっているからで、医療の現場で多くの喫煙者、特に、止めないと心筋梗塞で、死ぬと判っていても止められない人々をみるにつけ、喫煙者している人は本当に、その事実を知っているのか、と疑問に思っています。
 アスベストの時とことなり、こと煙草については、「そんなことは知らなかった」と、国民がいえないように、煙草産業界は、小さくきちんと喫煙の害の可能性については用意周到に準備がしてあり、大人の選択として了解の元で喫煙をしているのですから、ご本人は文句は言えない。
 だから、今吸っている人に止めて欲しいと思わないが、今から吸うのはやめるべきだと考えています。
by dobbin (2005-10-26 16:10) 

国大生

ふらっと見かけたんでコメントしておきます

彼の大学教授としての主張はこんな感じ
「低俗なマスメディアの作り出したポップカルチャーなどゴミ」
「お前らの凝り固まった常識を破壊しろ」

「喫煙は嗜好である」
という旧石器時代的な常識を打破できない彼が
このようなカッコイイ言葉を吐いているのがとても印象的でしたね
by 国大生 (2006-03-31 00:25) 

dobbin

国大生さん
どうもこめんとありがとうございます。

それこそ「バカの壁」でしょう。
また、人は自分が見たいものしか見えないし、見る能力がなければ見れない世界もあるといわれています。
こういう私にも、おそらく、わたしの「バカの壁」を持っていることは間違いなく、周りからのご指摘には、感情的に拒否する前に少しは考えるように努めています。 あくまでも、努めているのであって、必ずできているわけではないのですが・・・
by dobbin (2006-04-11 21:17) 

ヴァルフリート

横浜国大の学生です。
失礼ですが勉強不足ですよね。
その教授。
by ヴァルフリート (2007-04-12 23:08) 

dobbin

ヴァルフリートさん
コメントありがとうございます。
勉強不足とかいうレベルではなく、大学に属するものとしての姿勢・モラルといった、一定の職業に就く人の見識の問題のように思います。
このようなことをする人が増えると、だんだんと、教授の権威、大学のブランドなどがどんどんと落ちてしまうことが懸念されます。
by dobbin (2007-04-15 22:32) 

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