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厚生労働省のがん対策基本法軽視の姿勢と思惑 [私の主張]

■現状の認識
 市民活動から、議員立法で成立したという、新たな政策決定の流れとして、がん対策基本法に期待していましたが、ある協議会委員(患者代表)から、がん対策推進基本計画策定のお話を聞くと、なにか患者代表、ジャーナリスト代表のからのお話を一応聞いて、結局は、厚労省とがんセンターが従来の医学研究、がんセンターの設備の充実にがん対策基本法を利用しようとしている様子。つまり、「がん推進基本計画」が、「がん情報センター」と同じ轍を踏んでいる。

■がん対策推進協議会の運営方針について
 非常に厳しいスケジュールであることから、法の施行前に意見集約をしておいて、法律が施行されたら協議会を立ち上げて、形ばかりの意見を聞いて、一気に答申(案)を取りまとめてしまうというのは当たり前で、わかるのですが、中央社会保険医療協議会(中医協)と同じ格付けの協議会であって、初めて基本計画を策定する重要な局面であるのに対して、あまりに軽視されていると感じました。やはり法に基づき制定されたといっても厚労省は、議員立法の法律はできが悪いと軽視しているのでしょうか。

■がん対策基本法案に対する附帯決議を軽視
 厚生労働省は、附帯決議において「「がん対策推進協議会」については、政府の策定する「がん対策推進基本計画」の立案に積極的に関与する機関である」とされていることを無視し、「その機能が十分に発揮できるよう配慮する」どころか、スケジュールをたてに、機能が十分発揮できるよう配慮すらしないという姿勢。

(参考)
  がん対策基本法案に対する附帯決議 平成十八年六月十五日 参議院厚生労働委員会
「一、本法により創設される「がん対策推進協議会」については、政府の策定する「がん対策推進基本計画」の立案に積極的に関与する機関であるとの位置づけにのっとり、その機能が十分に発揮できるよう配慮すること。その際、がん医療に関連する他の検討会等との役割分担や連携の強化にも努めること。」とされている。
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2007/04/dl/s0405-3b.pdf

■本来であれば、ゼロから「がん対策基本計画」を作るわけですから、相当議論が必要なはず。また、新たな制定の背景を持つものに対して、従来の局長の私的諮問機関の検討会等と同じ、旧来の運用でいいのでしょうか。少なくとも今の事務局には、なにか新たな取り組みをするつもりは全くない様子。このままいけば、がんセンターの設備投資、つまり独法化に向けてのお祝儀施策や、独立行政法人化した後の飯の種として、「がん対策推進基本計画」が利用されてしまうことを懸念しています。これについては、以下に述べます。

■がん対策推進協議会の資料を見て最もおどろいたこと
 基本計画策定のための現状分析、計画の評価、見直しの全てをがんセンターが独立行政法人になった後も、ずっと続けていくことがp.21に明示してあることです。
【該当部分】
「今後は、基本計画に定める取組を進めていくこととなるが、がんをめぐる状況の
 変化を的確に捉えた上で、目標の達成状況の把握と効果に関する評価を行い
             (調査事業予算が確保できます)
 必要があるときは、計画期間が終了する前であってもこれを変更することとする
    (必要があれば、○○が、基本計画を変えられる」と書いてある)
 ☆ では、その○○とはだれでしょうか。その次に出てきます。
 なお、国立がんセンターは平成22年4月に独立行政法人化することが決定されていることから、これに伴い、必要に応じ基本計画の見直しを行うこととする。
 (えっ!基本計画ってがんセンターが見直して、作成するってことなの?)
 ☆ がん対策基本法で、影も形もないがんセンターがいつの間にか一気に主役となって登場してきます。
がん対策推進基本計画 事務局案 資料後半
http://www.wam.go.jp/wamappl/bb11GS20.nsf/0/a9cb00fc205f7129492572c1001ad6a8/$FILE/20070418_1shiryou2_2.pdf 

がん対策推進基本計画 事務局案 資料前半
http://www.wam.go.jp/wamappl/bb11GS20.nsf/0/a9cb00fc205f7129492572c1001ad6a8/$FILE/20070418_1shiryou2_1.pdf 

■だれが「がん対策推進基本計画」の方向性を決めるのか
 いままで、誰が基本計画の方向性を定め、原案を策定するか、法律上はグレーだったのが、この文言で、「がん対策推進基本計画」は、がんセンターが、たとえ独立行政法人になっても中心となって作るものとする。がん対策推進協議会は、文言通り、意見を聞けばいいご意見番組織に格下げ。

もちろん、協議会にはがんセンターの方も入っていますし、がんセンターが学術的な評価や調査で予算を取ってやって頂くのは必要としても、基本的な方向性は、がん患者、市民が入ったがん対策推進協議会が行うべきだと私は思います。

そのため、本来であれば、政策の優先順位を決めるべく、医療政策の専門家、医療経済の専門家が入って初めてあるべき協議会になると思いますが、その人材がはいっていないということは、ある意味で、協議会はあくまでも一般市民と専門家の見地から、「がん対策推進基本計画」にアドバイスをする組織であり、主体は厚労省とがんセンターで書くという筋書で進んでいると思います。

■患者代表を中心とした協議会委員は、がん対策推進基本計画策定は、「がん対策推進協議会」より方向性を示して、それを踏まえて厚労省が策定するというのがあるべき姿であり、一度その根本に立ち返るべきではないかということになりました。

 そこで、「がん対策推進基本計画に関する意見交換会」を開催し、できるだけ多くの患者、患者家族関係者にご参加いただき、今後のがん対策について、改めて議論しようということになりした。

 がん対策推進協議会の患者代表たちが、周りのことがみえていない”裸の王様なのか”、それとも「がん対策基本法」の背景にある患者さんたちの意向に沿ったものなのか、それを確認するためにでもあります。


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