迷走する日本たばこ産業株式会社 たばこ対策に対する考え方は一貫せず [たばこ政策・雑感]
かつて、中央社会保険医療協議会において、「ニコチン依存症管理料」について、保健適用とする際に、日本たばこ産業株式会社(JT)のコメントは以下のようであった。
平成18年度医療報酬改定案答申に関する会社コメント
http://www.jti.co.jp/JTI/attention/20060215.html
(前略)
今回の答申において「ニコチン依存症管理料については、保険導入の効果に係る検証の作業を通じて、禁煙指導に国民の保険料財源を充当することに関し、さらなる国民的なコンセンサスの形成に努めること」としておりますので、効果の検証にあたっては、広く国民の意見を真摯に受け止め、十分な議論を尽くされることを強く希望します。
2006年2月15日
日本たばこ産業株式会社
そして、今回の論調が以下の通りである。
厚生労働大臣 柳澤 伯夫 様
(尾辻元大臣の時は、宛先不明の意見書であったが今回は、財務畑の大臣を堂々と名指ししている)
2007 年4 月25 日
日本たばこ産業株式会社
代表取締役社長 木村 宏
日本たばこ産業株式会社(以下JT)といたしましては、「がん対策推進基本計画」に、喫煙者率の引き下げを数値目標として示すことに強く反対します。
(中略)
それにもかかわらず、今回「がん対策推進協議会」が打ち出した方針を踏まえ、万一、「がん対策推進基本計画」に喫煙者率に関する数値目標が盛り込まれることとなれば、行政としてのたばこ対策の一貫性が損なわれることにもなりかねず、(中略)
今般、政府が、我が国の今後のがん対策のあり方のご検討を進められるに当たり、JT といたしましては、従来の政策とも一貫性のある、真に実効ある「がん対策推進基本計画」が策定されますようお願い申し上げます。 以上
議論の対象は異なるものの、前者では「広く国民の意見を真摯に受け止め、十分な議論を尽くされることを強く希望します。」とし、あたかも、国民の意見をよく聞けといわんばかりの論調。
それに対して、今回の「がん対策推進基本計画」には、18名のうち6名が国民代表であることを考慮して、「行政としてのたばこ対策の一貫性が損なわれる」と、行政施策での応酬。
これほど、我田引水の巨大営利企業の主張に説得力は全くない。従来から、たばこによる健康被害についても、「ある時は集団に対するリスク評価である疫学を、ある時は個人のリスクを」と、巧みに使い分けているその素晴らしさは、見る人から見ると真に”匠の技”であることにまちがいなく、その狡猾さに舌を巻く。
おそらくこの木村代表取締役社長は数年後にたばこ裁判の被告席にすわることになるので、以下のPDFファイルは証拠書面として保存しておくことをお勧めするhttp://www.jti.co.jp/JTI/attention/comment/opinion20070425_02.pdf
ただし、その際に忘れないで頂きたいことは、「喫煙するかしないかは、 ”適切なリスク情報” を承知した成人個々人が、自らの健康に与える影響を勘案しつつ、自らの嗜好・健康観等に基づいてそれぞれが判断すべきものである」としているところである。
2007年5月1日現在、JTが提供する ”適切なリスク情報” はおそらく将来ウソであること、過小評価であること、および集団に対するリスク(疫学)と、個人のリスクを巧みに使い分けていること。
そして今回の決定的なミスである、”適切なリスク情報”とは無関係な”行政としてのたばこ対策の一貫性が損なわれる”との根拠で、厚生労働大臣を恫喝していることを明記にしておきたい。もちろん、将来の”喫煙による肺がん被害訴訟”のためにである。
かわいそうに、この社長はおそらく ”たたき上げ” ということで、世の中の全体像が見えないことから、天下り組から将来の”被告として位置づけられたスケープゴート”である。HIV訴訟でいえば、某大学教授や役所課長のような立場になるに違いない。
(参考)
たばこ対策に対するJTの考え方、会社コメント
http://www.jti.co.jp/JTI/attention/about_measure.html









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